知的障害・発達障害の事例

注意欠陥多動性障害

50代 女性

<病歴>

IQは高く、小学生の頃から成績は上位でした。不注意からケガをすることが多く、時間配分がわからず計画的に物事を進めることができません。社会人になってからは、その支障は大きく人間関係の破綻に至ってしまうこともあり、うつ病を発症しました。うつ病の受診で、ADHDであることが判明しました。

<障害の状態>

時間や日程の管理ができません。ミスが多くあります。複数の物事を処理することができません。思い付きで衝動的な行動をとってしまうことがあり、自己コントロールがうまくできません。日常生活や社会生活を送る上では、周囲の理解と配慮を必要とします。

<結果>

認定日 障害厚生年金 3級

事後  障害厚生年金 2級

<サポート内容>

社会生活を送る上での支障と生きづらさについて訴えました。うつ病の状態も悪化しており、請求時点で2級に改定されました。

自閉症スペクトラム障害

30代 女性

<病歴>

小学生の頃から、先生の指示が理解できず戸惑うことや周囲とトラブルになることが多くありました。注意をされても何がいけなかったのかわからず、ただオロオロしてしまいます。就職後、叱責や注意を受けることがストレスとなり摂食障害を起こし、受診したところ自閉症スペクトラム障害とわかりました。

<障害の状態>

他人の気持ちや抽象的な表現がわからず、対人関係がうまくいきません。教えられたことと少しでも事態が異なると、どのように対応してよいかわかりません。障害者雇用で就労を続けていますが、職場では戸惑うたびに周囲の人に助けられています。それでも、毎日不安で、精神的に不安定になります。

<結果>

障害基礎年金 2級

<サポート内容>

発達障害の方の生きづらさは、障害年金の診断書の項目ごとにまとめることは難しく、伝えきれないものがあります。就労が継続できているのは、職場の方々の理解のみならず、話を聞いてくれる家族や支援者の援助もあってこそです。どのような配慮や援助を受けているか詳しく申立てました。関わる方たちの協力を得ることができ、審査請求で認められました。

自閉症スペクトラム障害

20代 男性

<病歴>

子供の頃から集団に馴染めず、学校生活では孤立してしまい、警察の世話になる行動がありました。中学生のときに自閉症と診断されました。

<障害の状態>

物事の細かいニュアンスをくみ取ることができません。言葉で自分の思いをうまく伝えることができず、精神的に不安定になります。短絡的な行動が目立ちます。

<結果>

障害基礎年金 2級

<サポート内容>

状況の理解が不十分なため自己判断について不安が増していることや、思いをうまく伝えることができないことのため、日常生活においてはご家族が多大な援助を行っていることを申立てました。

知的障害

20代 男性

<病歴>

小・中学校は支援学級、高校は支援学校に在籍していました。高校卒業後は一般企業に障害者雇用で入社し、就労を継続することができています。

<障害の状態>

読み書き計算が苦手で、抽象的な思考が困難です。質問に的確に回答することが困難なため、会話には相手の配慮を必要とします。

<結果>

障害基礎年金 2級

<サポート内容>

保護的な環境下でなければ、日常生活を送ることや就労を続けることが困難であることを申立てました。

知的障害

20代 男性

<病歴>

小学校は、普通学級で過ごしていましたが、学習面で遅れがめだち中学生の時に知的障害であることがわかりました。

<障害の状態>

型通りの決まった日常生活は可能ですが、寒暖に応じた服装の調整などその場に応じた判断ができません。慣れない環境になると緊張が強く、就職の面接でも挨拶ができなくなります。ストレスが溜まると手洗いを頻繁に行う症状が出ます。

<結果>

障害基礎年金 2級

<サポート内容>

日常生活において臨機応変な判断をすることができないため、細かな助言や具体的な指示を必要とすることを申立てました。

知的障害

20代 男性

<病歴>

幼い頃、多動の傾向があり専門機関に相談したところ知的障害であることがわかりました。小中学校は特別支援学級に、高校は支援学校に在籍しました。高校卒業後は、障害者雇用で援助を受けながら就労しています。

<障害の状態>

簡単な計算はできますが、漢字は苦手です。教えてもらったことは、その通り行うことができますが、自らの判断で物事に対応することは困難です。

<結果>

障害基礎年金 2級

<サポート内容>

最初にお聞きしたときには、日常生活での支障や困っていることがあまりないとのことでした。ご家族も常に行っている配慮や援助が、長年の生活で当たり前になっていて気が付かないことが多くあります。じっくりお話を聞かせていただく中で、一般的な社会で一人で生活をした場合を想定していただき、配慮や援助について気付いていただくことができました。

知的障害

20代 男性

<病歴>

就学前に知的障害であることがわかりました。小学校は特別支援学級に在籍しました。学習面で遅れが目立ち、何度も同じことを繰り返す、突然大声を出すことがあり、周囲と馴染むことができませんでした。

<障害の状態>

金銭管理を適切に行うことができないため、お金の使い方について指導が必要です。就労支援を受けて障害者雇用で就労しています。職場ではコミュニケーションがうまくとれないため、周囲とトラブルになることがありますが、上司の理解と根気強い指導のもと就労が継続できています。

<結果>

障害基礎年金 2級

<サポート内容>

どのような配慮のもと就労を継続することができているか、詳しく伺いました。就労していることのみをもって、障害年金を受給することができないと決めつけてはいけません。